神様にお供えする、『奉納俵』作りの、お手伝いをしました。ベテランの職員の方は、10年以上の経験があるそうです。研修生は初体験。今回は60㎏俵作りに挑戦。
一般の方々も、参加できますので、お気軽に参加ください。
★完成荷姿
左側:30㎏俵【直径32㎝、長さ52㎝】、右側:60㎏俵【直径36㎝、長さ82㎝】
◆ワラ選り(わらすぐり)
事前に日陰で乾かした、材料の「モチ藁」の株元の、下葉を取り、青色の茎を出すことで、俵の胴体等の見栄えを良くします。一束の藁の穂先を握り、残りの手で、指を広げた状態で、穂先側から株元に向かって選ります。選ると、株元に茶色い下葉がめくれて塊ができるため、この塊を手で掴んで取り除きます。これを10回以上繰り返すと、整います。左側が選った後の藁、右側が選る前の藁。
◆俵編み機にヒモかけ
麻紐を、編み機の四か所にかけます。3本紐による編み込みは、お米がこぼれにくいそうです。2本紐のやり方もあるそうです。
◆俵編み
俵編み機にヒモを準備したら、ワラ選りしたものを、株元を揃えて10本程度の塊を置きます。その後4箇所の編み紐を編み込みます。次に、最初においた株元の逆側に、株元を揃えて置き、編紐を編み込みます。これを繰り返して、長さ120cmの物を編みます。ポイントは、藁の塊の太さを揃えることと、編み込みは体重をかけて、固く締めることです。
◆サン俵作り
俵の胴の横側に取り付ける、蓋の役目の『サン俵』を、一俵につき、二枚作成します。放射状に均等に広げて、きれいにすることが大切です。見栄えと、お米がこぼれにくい物となります。直径30㎝の作業板に藁を刺して、その上に両足で乗り、前屈状態で、時計回りで円周上に編み込んでいきます。
一番下のサン俵の表・裏の写真は、自分の初作品です。上側に隙間が空いていて、失敗作です。
◆目抜き通し
俵編みの終わったものを、円筒状に、麻ひも同士を固く結びます。この時、使用するのが竹串(いわゆる竹針)。胴が円筒状に繋がったら、両端の麻紐で編んだ内側に、竹串を刺して、藁縄を編み込んで、9箇所の輪っかを作ります。
◆サン俵の取り付け
目抜き通しの終わった、俵の胴体にサン俵を取り付けて蓋をします。目抜き通しの時につけた、藁縄の余長(直径の7.5倍の長さ)を使って、9箇所の輪っかに、対角線上に紐掛けして、胴回りを絞っていき、サン俵の直径に近づけていきます。三周絞り作業をして胴とサン俵が一体化します。最終的に、10本の放射状の藁紐でサン俵を取り付けて完成です。逆側のサン俵は、玄米を詰めてから取り付けます。60㎏のお米が入った状態で、サン俵を取り付けるには、強靭な腕力が必要とのこと。
◆俵の内側は、こんな感じ。
◆雑学
江戸時代の人は、お米を年一人当たり150㎏食べていたそうです。米150㎏は、一石(いっこく)といい、米俵2.5個分になります。当時は、藩の力を示す単位でした。現代の日本人は、年一人当たり60㎏程度の消費といわれています。海外からの食文化が浸透して、お米の消費が減ったようです。
《研修生 11/5》