公益財団法人 自然農法国際研究開発センター 公益財団法人 自然農法国際研究開発センター

来年に向けて水稲育苗培土の仕込み2017.10.16

先週、来年用の水稲育苗培土を仕込みました。いままでは3月に無肥料で仕込み、養分は発芽後に有機液肥で補う方法でした。

しかし、有機JAS対応の液肥は広く市販されていないため入手が困難です。

また、有機農業や自然農法の基本に立ち返って、土壌生物が育つ土に「育土」しようと考え、EMボカシを使って仕込みました。

材料と作り方は以下の通りです。

①ベースとなる培土はJAで取り扱っている無肥料の粒状培土です。

写真 (1)

②籾殻くん炭を粒状培土と容量比で等量用意しました。

写真 (2)

③EMⅡ型ボカシ(窒素含有率5%)を①と②の混合容量1Lに対して30g(窒素成分で1.5g相当量)用意し、ふるいにかけて塊を崩しました。

※当農場の水稲育苗箱は「みのるポット448穴」で、培土は1箱あたり約2.5L詰めるので、育苗箱1箱あたりのEMⅡ型ボカシの量は75g(窒素成分で3.75g相当)になります。

写真 (3)

④培土とくん炭とEMⅡ型ボカシを攪拌機で混合しながら、EM1号1000倍希釈液を培土全体が湿るまで散水しました。

写真 (4)

⑤温度が上がりやすいように仕込んだ培土を山積みにしました。

写真 (5)

⑥EMⅡ型ボカシは微生物によって分解されて培土の一部となっていき、結果的にイネ苗の養分になります。分解中は微生物が働きやすいようにポリと毛布を被せて保温・保湿・遮光します。

写真 (6)

⑦仕込み4日後、培土の表面は糸状菌の菌糸で真っ白になり、地温も50℃に達しました。この後は、地温が下がり始めた頃に培土を切り返すことで酸素を加えて微生物を再活性させながら培土を熟成させます。(H.Y.)

写真7

圃場だより