知多草木農場のC圃場では、「堆肥、ボカシ肥、緑肥作物、土壌動物、植物根」の総合力で育土を試みています。
先週末から今週にかけて、カボチャ栽培に向けた圃場の準備をしました。
まずはトラクターに畝形成機を付けて畝立てしました。
その後、畝の中央部に管理機で溝を切り、溝に堆肥(作り方はこちら)を3kg/㎡施用しました。さらにカボチャのベッドになる畝にはEMボカシも100g/㎡施用しました。
堆肥は通常、全面散布しますが、このように溝を掘って集中的に施用すると、堆肥はすぐに分解しきらずに土中に残ります。
写真は去年、溝に埋めた堆肥です。
堆肥には微生物の活性に必要な窒素と炭素が入っているので、長期間、土中に貯留されることは微生物や土壌動物の活性化につながります。
また近年、公的機関でも「農林業の温室効果ガス削減活動」の一環として、堆肥を土中深くに埋設して、堆肥分解時に発生する二酸化炭素の減少が試されています。
農研機構 農村工学研究所「土層改良で埋設する堆肥の炭素量の評価法」
有機物を埋めた跡は、カボチャの蔓を這わせる畝に緑肥を播きました。緑肥のタネはイネ科のエンバクとマメ科のヘアリーベッチを混ぜてばら播きにしました。
その後、タネと土を密着させるために、三角ホーの背で畝全体を鎮圧しました。
これらの緑肥は出穂または開花する頃まで育ったら、青刈りしてそのまま土の表面に敷き、イネ科の緑肥は主に土壌に炭素として、マメ科の緑肥は窒素として還元され育土が進んでいきます。
畝立てと緑肥の播種が終わったら、一雨あてて、カボチャのベッド部にグリーンマルチを張り、カボチャ定植まで土を温めておきます。 グリーンマルチは透明マルチと黒色マルチのいいとこ取りをしたもので、適度に地温を上げ、かつ抑草効果もあります。(H.Y.)