ピーマンは、生育初期の根の生長が遅く吸肥力が弱いため、乾燥害や肥切れを起こしやすく、ウイルス病による生育阻害や収量低下が問題となっています。特に自然農法では、育土が不十分の場合、このような問題が起こりやすいです。
日本にあるピーマン固定種は「伊勢ピーマン」のししとう形、カリフォルニアワンダーのようなベル形がありますが、中長形は交配種のみで固定種はありません(2022年現在)。そこで、自然農法に適するピーマン品種を育成するため、初期生育が旺盛で生育後期まで草勢が衰えず収量性のある固定種の中形ピーマンの育成するため、ウイルス病に強く果形の揃いが良い「京ひかり」(タキイ種苗)を素材とした自殖後代の選抜固定を目標に2007年より育種を開始し、2018年にほぼ目標にかなった固定種「信州みどり」を育成しました。